Boxman Fotologue
A Freelance photographer based in Tokyo, Japan.
フリーランスのフォトグラファー Today, I feel as if the world is becoming more and more divided in many aspects.
12/06/2026
14世紀、早くも1363年から1402年にかけてのスルタン・ムハンマド・シャー治世の頃から存在し、かつては事実上の首都であったとも考えられているカンポン・アイール。それから長い時を経たものの、この歴史ある水上集落には今でも多くの人が住んでいる。
そんな古き歴史の面影を残す一方で、集落の内部には張り巡らされた電線が走り、家々の壁にはエアコンが設置され、生活のための水道も引かれていて、現代の暮らしに合わせてきちんとアップデートされている模様だ。そして、その足元の水面では、ガソリンで稼働するモーターボートが激しい水飛沫を上げて疾走している。
このモーターボートを使った水上タクシーは、村人でなくても自由に利用することが可能だ。迷宮のような通路の途中に張り出した桟橋にぽつんと立っていると、彼らはどこからともなく滑るように現れて、当然のように僕を乗せてくれる。
ただ、いざ乗り込んでみて困るのは、船頭に行き先をどう告げたらいいのかがさっぱりわからないことだ。なにしろ、初めてこの地に足を踏み入れた僕には、この広大な水上世界のどこに、何があるのかなど、皆目知る由もないのだから。
📍カンポン・アイール(バンダル・スリ・ブガワン | ブルネイ)
#旅行記
バンダル・スリ・ブガワンの中心にあるキアンゲ・マーケットは野菜とフルーツがメインの市場で、多くの地元の人で賑わっている。そんな市場で働いているのは女性が多い。野菜を売るのは女性の仕事と決まっているのかと思うくらいだ。そして誰も彼もがヒジャブで髪の毛を隠している。イスラム教徒が多数を占める国らしい雰囲気が漂っている。でも写真に対してフレンドリーで、みんな朗らかに応じてくれる。
📍キアンゲ・マーケット(バンダル・スリ・ブガワン | ブルネイ🇧🇳)
#ブルネイ #海外旅行
10/06/2026
高床式の水上集落と聞いて、僕はささやかな住居を想像していた。しかしカンポン・アイールにある建物は、一軒一軒が思いの外大きい。建物のすべては川底に突き刺さった支柱の上に危ういバランスで載っており、通路の脇には頼りない自家用のボートが静かに揺れていた。ここは地盤という概念を捨てた人びとの集積地なのだ。
この集落では猫の姿はそれほど珍しいものではないが、犬の姿はほとんど見かけない。完全に猫たちに占領された王国だ。そして、ときおり目の前を横切る檻の中には、立派な尾羽を蓄えた鶏たちがひしめいている。ブルネイではギャンブルを伴う闘鶏は法律で厳しく禁止されているはずだが、なぜかここでは闘鶏用と思われる個体を結構な頻度で見かける。すれ違いざま、彼らが向けてくる視線は驚くほど鋭く、冷徹だ。
さらに進むと、生活のグラデーションは混沌を極めていく。物置場なのか、それとも誰かの住処なのか、よくわからない用途不明の空間が水面にぽつぽつと浮いている。よく見てみれば、住居の裏手に自分だけのプライベートの桟橋をしつらえている贅沢な家もある。その一方で、通路の脇に唐突に「扉」だけがぽつんと佇んでいて、そこへ続く歩道がどこにも繋がっていない奇妙な光景にも遭遇する。落ちたら終わりの水世界で、どこにも繋がらない扉。それが気になって仕方がなくなり、何度も後ろを振り返ってしまう。
📍カンポン・アイール(バンダル・スリ・ブガワン | ブルネイ)
#旅行記
08/06/2026
ブルネイにある水上集落カンポン・アイールを散策している間、僕は恐ろしいほどの孤独に包まれていた。4万人近くが住むという水上集落カンポン・アイールは、どこまで歩いても「生活の気配」だけを濃密に残したまま、生身の人間を徹底的に隠匿し続けていたからだ。だが、その無機質な沈黙は、ある時間を境に唐突に、そして一斉に破られることになる。神へと祈りを捧げる、その一瞬のために。
📍カンポン・アイール(バンダル・スリ・ブガワン | ブルネイ)
#旅行記
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